プロトテアトル

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参加公演 FOペレイラ宏一朗 出演

【5/5-5/15】庭劇団ペニノ 「ダークマスター」

この「ダークマスター」という作品は一九九五年にヤングチャンピオンに掲載された漫画が元になっています。わずか二十五ページの短編作品で、画は泉晴記、原作は映画「オールド・ボーイ」でも有名な狩撫麻礼です。
私はこの作品を初めて読んだとき、これは資本主義社会の支配/被支配体系をユニークに表現した作品だと感じました。機械のように人を使い、金を産ませ、洗脳し、必要なくなったら捨てる。この残酷な現代社会の営みをユーモラスに描いていると思いました。そしてそれは残酷だけれど、一方で人間は実はその残酷さに無意識のうちに身を任せたくなる、そんな死の欲望をさえもっているようにも思えてくる。

この作品の普遍的価値は、金の為に働く人間が居なくならない限り永遠に担保されるだろうと思います。二〇〇三年に下北沢駅前劇場、二〇〇六年にこまばアゴラ劇場と過去二回公演をしています。今回三度目となる公演は、大阪を舞台にして台本を大幅に書き換えて上演します。

私は三年をかけて、大阪の俳優とワークショップを重ねてきました。その中で大阪の急速な変化を目の当たりにしてきました。広大な範囲に及ぶ再開発、積極的な企業誘致、爆発的に増加する観光客数、大阪都構想、その中で彷徨う人々。

この「ダークマスター」は、このようなめまぐるしい変化の中、新しく生まれるものと失われていくものが混じり合っている中で上演されることに最大の意味がある作品だと思います。そしてこの作品の中で描かれる格闘の様に現代社会が抱えている闇と光を発見してもらえることを期待しています。

タニノクロウ

◎あらすじ
大阪にある洋食屋「キッチン長嶋」。超一流の腕を持つマスターが一人でやっている小さな洋食屋。
しかし、偏屈な人間性と極度のアルコール中毒のため全く客がこない。
ある日一人の若者が東京から客としてやってくる。自分探しをしている無職の男だった。
マスターは自分の代わりにここのシェフになれと提案する。しかし若者に料理人の経験はない。
マスターは若者にイヤホン型の小型無線機を渡す。そして自分は二階に隠れ、無線を使って若者に料理の手順を伝えるというのだ。
行く当てもない若者はそれを引き受ける。
そして、やがて有名な行列店になる。
しかしあの日以来マスターの声は聞こえるが姿を見かけない…。

原作:狩撫麻礼
画:泉晴紀
(株)エンターブレイン「オトナの漫画」所収
作・演出:タニノクロウ
出演:緒方晋 井上和也 大石英史 FOペレイラ宏一朗 坂井初音 ほか

公演スケジュール
2016年5月5日(木)〜15日(日)10公演

「男」役:井上和也
5月8日(木)19時
5月9日(金)19時
5月10日(土)14時・18時30分
5月11日(日)14時

「男」役:FOペレイラ宏一朗
5月12日(木)19時
5月13日(金)19時
5月14日(土)14時・18時30分
5月15日(日)14時

チケット予約・前売り開始=2016年3月19日(土)
料金=前売/3,500円 当日/4,000円 学生/3,000円
チケット販売=キオ・チケットボックス
https://piagettii.e-get.jp/kioticket/pt/

お問い合せ=niwagekidan@gmail.com
080-4414-2828(庭劇団ペニノ)
会場:OVAL THEATER(オーバルシアター)
大阪市阿倍野区阿倍野筋2-4-45
TEL:06-6624-9117(10:00-18:00)
http://www.officephi.com/loxo.html

◎最寄り駅までのアクセス
関西空港 JR「天王寺」まで約30分(有料特急)/空港バス 約55分
大阪空港 空港バス 約30分
新大阪  地下鉄御堂筋線「天王寺」まで約21分
チケット料金:前売り 3500円/当日券 4000円/学生 3000円
一般発売:2016年3月19日

美術=カミイケタクヤ
演出助手=葛川友理
舞台監督=夏目雅也
照明=伏屋知加
宣伝美術=甲賀雅章
制作=小野塚央・さくらこりん
プロデューサー=中立公平
特別協力=一般社団法人KIO
企画=庭劇団ペニノ・OVAL THEATER
主催=合同会社アルシュ・有限会社PHI

☆東京公演:2017年2月1日〜12日@こまばアゴラ劇場 予定

 

ABOUT US

庭劇団ペニノ プロフィール:
2000年1月、昭和大学演劇部メンバー有志にて「庭劇団ペニノ」を結成。自宅マンションを改造した劇場スペース「はこぶね」や野外での公演など、作り込んだ舞台美術とともに上演空間には透徹したこだわりを持つ。
「笑顔の砦」(07)「星影のJr.」(08)で2年連続で岸田戯曲賞にノミネート。国内ではフェスティバル/トーキョー09秋、ふじのくに世界演劇祭(11)、KYOTO EXPERIMENT(14)に参加。
海外では「苛々する大人の絵本」はドイツ(09)、スイス(10)、ベルギー(11)などで上演され、スイスの著名な演劇賞 ZKB Patronage Prize 2010にノミネート。また「誰も知らない貴方の部屋」のアメリカ5都市ツアーを行い好評を博した(14)。また「大きなトランクの中の箱」はウィーン芸術週間(15)にて上演され、五つ星の評価を得た。
タニノクロウ プロフィール:
1976年富山県出身。庭劇団ペニノの主宰、座付き劇作・演出家。セゾン文化財団シニアフェロー。2000年医学部在学中に庭劇団ペニノを旗揚げ。以降全作の脚本・演出を手掛ける。07年、08年と2年連続で岸田國士戯曲賞最終候補になる。国内外の演劇祭に多数招聘。15年3月ドイツにて「水の檻」を滞在製作。2015年8月に最新作「地獄谷温泉 無明ノ宿」を発表。

http://niwagekidan.org/performance_jp/438
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